しかも水庖はウイルスを大量に含むので、キスによって容易に感染する。
性器部分では、単純疱疹ウイルスは陰部疱疹、性器漬傷の最もありふれたタイプを引き起こす。
これもまた非常に感染性が強く、無防備の性交によって容易に感染する。
しかし性的接触によるウイルスの拡散は、生殖管において増殖するウイルスに限られてはいない。
B型肝炎ウイルスやHIV(ヒト免疫不全ウイルス)のような血液中のウイルスもこの経路を利用する。
性器の分泌物は白血球を少し含んでいるのがふつうで、これにウイルスが含まれているかもしれない。
しかし、傷あるいは性器漬傷からの出血は、たとえほんの少量であっても、血液伝搬ウイルスの性的感染のチャンスを劇的に増大させるには十分なのである。
まるで植物の種子のように何百万というウイルス粒子がっくり出されるが、それは少なくともひとつの粒子が新しい宿主を見つけて定着することに希望を託してのことである。
ウイルスはあらゆる可能な経路を利用して新しい宿主に移住する、ゆえに彼らの成功は自明なのである。
ウイルスは一般に体の表面、皮膚あるいは腸責呼吸道尿生殖路などの内壁の細胞に感染することによって宿主に接近する。
ここで彼らは大量の新しいウイルスをつくり出し、そして理想的な状態に置かれると、さまざまな内臓へと広がるか、あるいは分泌物や排出物に便乗して外部の世界に戻るのである。
「デリーベリー」と「ラズベリーデザート」私たちの多くは、旅行の途中に腹具合が悪くなって少々不自由をした経験があるであろう。
これらの下痢は、「デリーベリー」(デリー腹)とか「アステカツーステップ」、つまりインドやメキシコの旅行者がかかる下痢の露骨な表現で知られているが、こうした感染症は重症になることがある。
ロタウイルスによる下痢だけでも毎年約八0万人が死んでいる。
これらのウイルスは発展途上国における人口過密で非衛生的な環境において大繁栄しており、そこでは汚染された食物と飲料水によって人から人へと広がるのがふつうである(糞口経路という)。
彼らは胃の酸性環境のなかを死なずに通過するのが得意であり、そのあとは小腸で増殖する。
ここで彼らは腸壁の細胞を掃討して、急性の下痢と暇吐を引き起こす。
大量の水分の損失によって起こる脱水症がすぐに弱い者や栄養不良の者の命を奪ってしまう。
これがまたウイルスを大量に放出するため、感染した人から排出される便には一グラム当たり約一0億個のロタウイルスが含まれる。
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